個人再生手続の流れ4

債権者によって再生計画案が可決されると、裁判所が認可・不認可の判断をします。個人再生手続において重要な不認可事由としては、債務者の収入要件や債権額要件といった手続開始要件を欠く場合や、最低弁済額要件に反する場合があります。最低弁済額要件は、基準債権の総額が100万円以下の場合は基準債権額、その総額が100万円と500万円の間の場合は100万円といったように定められています。最低弁済額要件が設けられたのは、この程度の弁済もできないような債務者は破産によることもやむを得ないと考えられ、また、債権者の立場からも無用な債権管理コストを強いることを避けるためです。

不認可事由がないときは、裁判所は再生計画認可の決定をします。再生計画認可決定の確定により、すべての債権者の権利は、権利変更の基準に従って変更されます。したがって、「元本の4割を免除し、残金を毎月2%ずつ3年間弁済する」といった形で再生計画が定められることになります。この権利変更の効果は期限付・条件付債権や非金銭債権などについても発生します。したがって、これらの債権も現実化・金銭化されます。

(司法書士・行政書士 三田佳央)