個人再生手続の流れ3

個人再生手続における再生計画案の作成には、その条項に一定の制限があります。この場合、債権の内容を変更する条項は、原則として、各債権について平等の内容でなければなりません。手続を簡易化するためです。弁済条項として、①、弁済期が3か月に1回以上到来する分割払いであること、②弁済期間は、原則として3年であることが要件とされています。①は、弁済期が開きすぎないようにするためであり、②は、弁済期間の長期化を避けて債権者と債務者の負担を軽減するためです。

また、一定の損害賠償請求権や婚姻等の義務に関する請求権などは、債権者の同意がある場合を除き、その内容を変更する対象とはなりません。債務者のモラルハザードを防ぐためです。これらの債権は、再生計画による弁済期間中はその内容に従って弁済を受け、弁済期間終了時に残額の一括弁済を受けることになります。

再生計画は、債権調査が終了し、債務者の報告書が提出された後に、債権者による決議に付されます。決議は書面投票により、計画案に同意しない者がその旨を回答するという方法により行われます。計画案の可決の要件は、同意しない債権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権額が議決権総額の2分の1を超えないことです。この要件を満たさなかった場合は、裁判所は職権で、再生手続廃止の決定をしなければなりません。再生計画案が可決されたときは、裁判所が認可・不認可の判断をすることになります。

(司法書士・行政書士 三田佳央)