「長期間相続登記等がされていないことの通知」がされる場合とは

長期間相続登記がされていない場合には、法務局から「長期間相続登記等がされていないことの通知」が送付されます。では、具体的にどのような場合に、この通知が届くのでしょうか。

ます、法務局は、起業者その他の公共の利益となる事業を実施しようとする者からの求めがある場合に、所有権の登記名義人に係る死亡の事実を調査するとされています。

また、この調査がされるのは、法務局の管轄内の土地に限られます。この制度は、所有者不明土地の利用の円滑化を目的としているからです。

これらの条件を充たす土地を「特定登記未了土地」といいます。このことから、この制度は、あくまで公共事業など公共の利益となる場合について、公費によって所有者不明土地の利用の円滑化を図るものであるといえそうです。

では、長期間とはどのくらいの期間でしょうか。これは、10年とされています。

したがって、「長期間相続登記等がされていないことの通知」は、特定登記未了土地に該当し、かつ、10年を超えて相続登記がされていない土地における所有権の登記名義人の法定相続人に対してされることになります。

なお、法定相続人が複数の場合は、任意の1人に対して通知がされることになっています。

(司法書士・行政書士 三田佳央)