債務整理を専門家に依頼すると

多重債務の状態に陥っている債務者が、債務整理をするときは、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することがほとんどです。なぜなら、弁護士や司法書士に債務整理を依頼することによって、貸金業者などの債権者から債務者に対する取り立てが止まるからです。

債務者から債務整理を委任された弁護士や司法書士は、通常、債権者に対して、受任通知を送付します。この受任通知には、債務者から債務整理を受任したこと、債務者への取り立てを控えてもらう旨、取引状況の確認を依頼する旨などが記載されています。この受任通知を受領した貸金業者は、法律によって、債務者への取り立てが規制されています。そのため、弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、債務者への督促状などの送付が止まります。

なお、銀行など金融機関においては、このような規制はありませんが、実際には、金融機関からの取り立ても止まります。金融機関に受任通知を送付すると、その金融機関の預金口座は凍結されることになります。

債務整理の依頼を受けた弁護士や司法書士は、債務者への取り立てを止めるため、また、取引状況を確認するため、貸金業者や金融機関などの債権者に受任通知を送付します。債権者に受任通知を送付すると、債権者からの取り立ては止まり、以後、依頼を受けた弁護士や司法書士が、債権者とやり取りをすることになります。

このように、弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、債権者からの取り立てが止まり、債権者とのやり取りから解放されることになります。これを目的に、弁護士や司法書士に債務整理を依頼する多重債務者は少なくありません。それだけ、貸金業者などから幾度となく督促状などの書類が届くことは、多重債務者にとって、精神的な負担となっているのではないでしょうか。多重債務に陥ってしまったら、一人で抱え込まずに、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

(司法書士・行政書士 三田佳央)