成年後見制度の課題2

成年後見制度には、補助、保佐、後見の3つの類型があります。これらの類型のうち、家庭裁判所にて審判の申立てをする際に、本人の同意が必要となるものがあります。補助開始審判の申立て、補助人に同意権または代理権を付与する審判の申立て、保佐人に代理権を付与する審判の申立てですが、本人以外の者が申立てをする場合に限られます。これらの場合には、本人、配偶者、四親等内の親族等に審判の申立てをすることが認められていますが、本人にある程度の判断能力があることから、本人の意思を尊重するため、本人以外の者が審判の申立てをする際には、本人の同意が求められています。

しかしながら、たとえある程度の判断能力があるとはいえ、判断能力が低下した本人がその内容を理解した上で同意することは困難であると言わざるを得ません。家庭裁判所にて本人との面談の際には、参与員や調査官から代理権や同意権の付与について一つ一つ同意の有無を確認していますが、本人に第三者に支援を求める意思はあるが代理権や同意権の具体的な内容が理解できなかったり、事前に同意をしていても参与員等が確認する際にその事実を失念していたりすることが少なくありません。

もし、このような状況では代理権や同意権を補助人や保佐人に付与できないとすれば、本人に必要な支援をする体制を整えることが困難なものとなってしまいます。しかし、このような状況にある本人にこそ、第三者による支援が必要ではないでしょうか。家庭裁判所は、本人にどのような支援が必要なのかという視点で代理権や同意権の付与等について検討し判断することとして、本人の同意は不要とすることが、本人に本当に必要な支援を提供することになるのではないかと考えます。

本人の意思については、補助人や保佐人はその事務を遂行するにあたり、本人の意思を尊重することが法律上求められており、その事務の遂行については家庭裁判所に監督されているため、補助人や保佐人がその事務を遂行するにあたって尊重されることになります。