所有者不明土地の発生の予防と不動産登記法改正2

不動産の登記名義人の住所が変更した場合には、住所変更の登記手続をすることになります。ただ、この住所変更の登記は義務ではないので、登記名義人の住所が現在の住所と食い違っていることがあります。転居や本店移転のたびに住所変更の登記をすることに負担を感じ、放置されがちなのが実情です。しかし、このような状況が放置されていると、不動産の登記名義人と連絡を取ることが困難となり、土地の管理や活用を妨げることに繋がります。そこで、このような事態になることを防ぐために、令和3年に下記のような不動産登記法が改正されました。なお、この改正法の施行日はまだ決まっていません。

不動産の所有者である登記名義人の住所に変更があったときは、その変更があった日から2年以内に、住所変更の登記を申請しなければなりません。正当な理由がないのにこの登記を申請しなかったときは、5万円以下の過料に処せられます。また、登記官は、所有者である登記名義人の住所変更があったと認めるべき一定の場合には、職権で、住所変更の登記をすることができます。ただし、所有者である登記名義人が個人であるときは、その申出があるときに限られます。所有者である登記名義人が法人の場合には、その法人の会社法人等番号を登記事項とすることになります。この会社法人等番号をもとに取得した情報によって、登記官が、職権で、住所変更の登記をすることができます。

これらの仕組みの導入によって、転居や本店移転に伴う住所変更が簡単で便利な手続で登記に反映されることになります。手続の詳細は今後、法務省令によって規定されることになっています。