自己破産の流れ1

多重債務者が破産手続をするには、管轄の地方裁判所に破産手続開始の申立てをします。この申立は、申立書と添付書類を裁判所に提出してします。申立書には、①申立人及び債務者の氏名・住所、その法定代理人の氏名・住所、②申立ての趣旨、③破産手続開始の原因となる事実などです。添付書類としては、①債権者一覧表(債権者ごとの借入時期、借入金額、使途等を記載した書面)、②債務者の住民票(本籍の記載のあるもの)、③家計状況報告書(1か月間の収支を記載した書面)、④債務者の収入を明らかにする書面(源泉徴収票、年金通知書など)、⑤債務者の陳述書、⑥資産目録、⑦預貯金通帳の写しなどがあります。

破産手続開始の申立てが受理されると、裁判所は、破産手続開始原因などを審理するため債務者審尋が行われますが、これは、提出した書類に誤りがないかなどを確認する極めて簡単なものです。裁判所は、この審理により債務者に破産手続開始原因の事実があると認めるときは、破産手続開始の決定がされて、官報に広告がされます。

破産手続開始原因とは、債務者が支払不能にあることです。支払不能とは、債務者が、支払能力を欠くために、弁済期のある債務につき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいいます。債務の一部だけを弁済できないような状態や一時的な資金繰りの行き詰まりで弁済ができないような状態は、支払不能には含まれません。また、現在の資産や収入では債務を返済することは困難であると見える場合であっても、債務者に十分な信用があり、借入れや弁済猶予を得ることが可能であると考えられるときにも、支払不能とは認められません。

破産手続開始の申立てをする際には、申立手数料を納付しなければなりません。申立手数料は1,000円で、免責手続の申立ても併せてするときはさらに500円が加算されます。申立手数料は、印紙として申込書に貼付して納付します。その他、裁判所から、予納金の納付が命じられます。予納金の額は、債務者の財産や負債の状況その他の事情を考慮して定められますが、具体的な基準は裁判所により異なります。数十万円程になることが多いようです。ただし、破産管財人が選任されない同時廃止の場合は、1万円から2万円程度です。これは、予納金は、主に破産管財人の報酬に充てられるからです。

破産手続開始の決定は、必ず書面でなされ、開始の決定の年月日だけでなく時間まで記載されます。これは、破産手続開始の決定は、債務者のみならず第三者にも重大な法的効果を与えるものだからです。

(司法書士・行政書士 三田佳央)