どんなときに成年後見制度の利用を検討したら良いでしょうか。
成年後見制度の利用を検討する「きっかけ」は色々ありますが、それらをいくつかのケースに分けて説明します。
身寄りがない高齢者が認知症等により判断能力が低下している場合には、成年後見制度を利用することが考えられます。例えば、身近に本人を支援できる親族がいない、身近にいる親族が高齢で本人を支援できない、親族との関係が良くなくて疎遠になっていて連絡が取れなくなっている、などです。
このようなケースでは、本人に病院への入院や介護施設への入所が必要となったときに、本人の現状に適した支援をすることが困難になります。
病院に入院するときには手続きをする必要があります。また、病院から緊急連絡先や入院費の支払いの保証人を求められることが少なくありません。
施設に入所するときにも、施設と入所契約の手続きをする必要があります。また、入所の際に施設から保証人を求められます。保証人がいないと入所することができない施設が多いのが現状です。
このようなケースで本人に成年後見人が付いていれば、本人の代わりに入院や入所の手続きができますし、入院中であれば病院と連携して対応することができるため、本人の治療が円滑に進められます。また、施設入所に関しても、たとえ保証人がいなくても成年後見人が付いていれば入所を認める施設が多く存在します。 このように、もし身寄りがない高齢者に入院や入所の必要性が生じたとしても、成年後見人が付いていることによって、そのときには成年後見人が入院や入所の手続きをすることができますし、入院後や入所後については成年後見人が病院や施設と連携が取れるので、本人は安心して日々の生活を送ることができます。特に独居の高齢者に成年後見制度の利用を検討する価値が高いと考えられます。