① 意義
契約または法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、相手方に対する意思表示をすることによって契約を解除することができます。解除とは、有効に成立した契約を、一定条件をもとに一方的に解消することです。契約による解除権(当事者が解除権を契約の中に定めておく場合)を約定解除権、法律の規定による解除権を法定解除権といいます。
法定解除権には、個々の契約ごとに法律が個別に定めている解除権と、各契約類型に共通する債務不履行を理由とする解除権があります。
このほか、当事者の合意によって契約を解消することを合意解除といいます。これはそれ自体一つの契約であり、約定解除権の合意とは異なります。
契約を解除することによって、契約は解消され、すでに履行した部分については原状に回復することになります。
以下では、法定解除について説明します。
② 機能
Aがその所有する甲パソコンを売却する契約をBと締結し、Aは甲パソコンをBに引渡したが、Bは期日を過ぎても代金全額の支払いをしない。このまま放置しておくと、甲パソコンを処分されてしまうおそれがある。AがBから甲パソコンの返還を受けるには、引渡しを根拠づけていた甲パソコンの売買契約を解消する必要があります。この場合、解除は、引渡債務が履行された状態からAを解放し、元の状態を回復する機能をもつことになります。
また、Cはマイホームを取得したいと考え、売主Dとの間で乙住宅の売買契約を締結し、履行期に代金の支払いの提供をしたが、Dは引渡しをしないし登記にも協力しませんでした。CはDに対し、訴えを提起して乙住宅の引渡しと登記の履行を求めることもできますが、時間と費用がかかります。そこで、CはDから乙住宅を取得することを断念し、第三者から別の住宅を購入しようとする場合、Dとの契約をそのままにしておくと、後日、Dからその契約に基づいて乙住宅を引取り、代金を支払えと求められる可能性が残ります。そのため、Cとしては、Dとの契約を解消し、後でDから請求を受けることのないようにしておく必要があります。この場合、解除は、Dとの契約による代金支払いなどの債務からCを解放する機能をもつことになります。
契約が有効に成立すると一方的に解消することができませんが、債務不履行の理由が何であれ、落ち度のない債権者を契約による拘束力から解放するのが公平といえるし、債権者に代替取引の機会を与えることは、全体としての損害を少なくすることにもなります。このように、債務者が不履行をしているときの債権者を契約による拘束力から解放する機能が解除制度の主な目的です。
(2) 解除の要件
法定解除の要件は、①債務不履行があること、②解除の意思表示がされたこと、③債権者に帰責事由がないことです。
① 債務不履行
債務不履行は、履行遅滞、履行不能、その他の不履行に分けられます。いずれの類型の債務不履行であるかによって解除の要件に違いがあります。
(ア) 履行遅滞
履行遅滞による契約の解除の要件は、①履行期の到来、②履行が可能であること、③履行しないことの正当化の不存在、④履行の提供をしないこと、⑤相手方(債権者)が相当の期限を定めて催告したが履行をしないこと、⑥不履行が軽微でないことです。
㋐ 履行期の到来
履行期とは、債務者が履行すべき時のことです。具体的には、①確定期限があるときは、その期限の到来した時、②不確定期限があるときは、債務者が、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時、またはその期限の到来したことを知った時、③期限の定めがないときは、履行の請求を受けた時です。
㋑ 履行の可能性
債務の履行が不可能である場合には、履行遅滞ではなく履行不能による解除や危険負担の問題となります。
㋒ 履行しないことの正当化の不存在
債務者が同時履行の抗弁を主張することができるときは、履行期に履行しなくても履行遅滞とはならないので、債権者は解除できません。双務契約の当時者が解除しようとする場合は、相手方の同時履行の抗弁を封じておく必要があるあるので、そのためには、自ら履行の提供をしなければなりません。例えば、売主の目的物引渡債務の不履行を理由に、買主が売買契約を解除するためには、代金債務の履行の提供をする必要があります。履行の提供の時期は、催告の前でなくても、催告で指定された債務者が履行すべき時でもよいとされています。
㋓ 履行の提供をしないこと
債務者は、履行の完了に至らなくても、履行の提供をすれば、債務不履行責任を負わないので、解除されることはなくなります。
㋔ 催告
(A) 催告の意義
履行遅滞があったからといって、債権者は、直ちに解除できるわけではない。債権者が相当の期間を定めて履行の催告をすることが必要です。これは、債務者が履行して解除を阻止する最後の機会を債務者に与えるのが適切だからです。
定められた期間を経過しても、なお履行されない場合に、債権者は解除することができます。そのため、催告と解除の意思表示をそれぞれする必要があるのですが、催告期間内に履行がないことを停止条件とする解除の意思表示をすることも有効だとされています。
(B) 催告の適格性
催告は、「相当の期間」を定めた、「その履行の催告」でなければなりません。
(C) 定期行為の例外
契約の性質または当事者の意思表示により、特定の日時や一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したときには、債権者は、催告することなく、直ちに契約の解除をすることができます。これは、履行が遅滞してしまうと、履行自体が無意味だからです。
定期行為の例としては、花嫁がウェディングドレスの製作を注文した場合、契約の性質上結婚式の前に引き渡されないと、契約の目的を達成できません。これを絶対的定期行為といいます。また、花嫁の父親が結婚式に着用するためにモーニングの製作を注文し、その目的を伝えたうえ、相手方も了承して結婚式の前に引き渡すことが合意された場合も同様に、契約の性質上結婚式の前に引き渡されないと、契約の目的を達成できません。これを相対的定期行為といいます。
なお、定期行為が商人間の売買である場合については、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、直ちにその履行の請求をした場合を除き、契約の解除をしたものとみなされます。催告だけでなく解除の意思表示も不要であり、当然に解除の効力が生じます。これは、商人間の取引においては法律関係の早期の安定が求められるからです。
ⓐ 相当の期間
相当の期間の算出は、債務者が履行の大半の準備を終えていることを前提としてなすべきとするのが判例です。履行期が到来しているのだから、催告を受けてから履行の準備をするのでは遅すぎるからです。
期間を定めなかった場合や、定めた期間が不相当に短かった場合も、催告が無効になるわけではなく、催告の時から客観的にみて相当な期間が経過した後に解除すればよいとされています。債務を履行しない債務者を、そこまで保護する必要がないからです。
ⓑ その履行の催告
催告は、「その履行の催告」なのだから、債務の同一性が認められるものでなければなりません。
債務者のなすべき給付の金額または数量よりも過大な額・量を示した催告は、債務の同一性が認められるのであれば、催告で示された範囲内で有効ですが、過大の程度がはなはだしいため、本来給付すべき額・量の提供があったとしても、債権者はその受領を拒絶する意思を有していたと推認されるときは、例外的にその催告は無効となります。
債務者のなすべき給付の金額または数量よりも過小な額・量を示した催告は、債務の同一性が認められるのであれば、催告で示された範囲内で有効であると考えられます。
㋕ 不履行が軽微でないこと
相当の期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、解除することができません。これは、不履行を受けている債権者の契約の拘束からの解放と、契約の拘束力の尊重および債務者の契約利益への配慮との調和を図ったものであるとされています。不履行が軽微でないことが、解除の消極的要件とされているのです。ただ、不履行が軽微であるか否かは、催告期間経過後において判断されることなので、催告自体の要件とはされていません。
催告期間経過時における債務不履行が軽微か否かは、そ「の契約及び取引上の社会通念に照らして」判断されます。例えば、数量的にわずかな部分の不履行であっても、その不履行がその契約にとって極めて重大な意味を持つときには、軽微ではないと判断されます。
(イ) その他の不履行
履行期に一応は履行されたものの、それが債務の本旨に従ったものとはいえない場合も、「その債務を履行しない場合」に含まれ、履行遅滞におけるのと同様に、債権者は契約を解除することができます。
そのための要件は、①履行期に一応は履行されたが、それが債務の本旨に従ったものとはいえないこと、②履行が可能であること、③相手方(債権者)が相当の期限を定めて催告したが履行をしないこと、④不履行が軽微でないことです。
「債務の本旨に従った履行」があったかどうかは、契約の解釈によって確定された債務の内容と債務者が実際に履行したことまたはしなかったことを比較して、債務者がなすべきことをしたといえるかどうかによって判定することになります。
債務者がそもそも履行できない場合(債務の一部の履行が不能である場合など)、履行不能と同様の扱いを受けます。
(ウ) 履行不能
㋐ 全部の不能
債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができます。履行が不能なので、催告しても無意味だからです。
㋑ 一部の不能
債務の一部の履行が不能である場合、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の一部を解除することができます。例えば、土地とその地上建物の売買において、建物が滅失してしまい、土地のみでは売買契約の意味がないという場合です。
ただし、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の全部の解除をすることができます。例えば、5台のパソコンの売買契約において、そのうち1台が滅失した場合です。契約の全部の解除の可否については、契約をした目的の達成の可否が基準とされています。
㋒ その他の無催告解除
(A) 履行拒絶
債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができます。また、債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができますが、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないときは、契約の全部の解除をすることができます。
履行拒絶の意思が表示された時期は、履行期の前か後かを問いません。「明確に表示」とは、単に債務者の拒絶の意思が表示されているというのではなく、拒絶の意思が明確なものであって、そのことが表示されていることをいうと解すべきであるとされています。
(B) 定期行為の履行遅滞
(C) 催告しても履行を受ける見込みがないことが明らかなとき
履行不能や履行拒絶以外でも、債務者がその債務の履行をせず、債権者が催告をしても契約をした目的を達するのみ足りる履行がされる見込みがないことが明らかなときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができます。このような場合に債権者に催告を要求しても無意味だからです。例えば、売買契約で引き渡された目的物の品質が契約の内容に適合しておらず、履行の一部不能とはいえないが、売主の追完が期待できないために、買主が契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかである場合です。
② 解除の意思表示がされたこと
(ア) 相手方に対する意思表示
解除は、相手方に対する意思表示によってします。その効力は、相手方に到達した時に生じます。これは、債務不履行による解除だけでなく、解除一般について当てはまります。意思表示は、書面による必要はなく口頭でもよいですが、実際には、後日の証拠とするため、内容証明郵便でなされることが少なくありません。
解除の意思表示をする際には、その理由を示す必要がありません。
(イ) 撤回の禁止
解除の意思表示は、撤回することができません。これを認めると、法律関係が複雑になるから、また、相手方の地位を不安定にするからです。したがって、相手方の同意があれば、撤回できます。ただし、撤回の効果は、第三者には主張できないとされます。
(ウ) 解除権者
解除権を有するのは、契約の当時者です。契約上の地位が譲渡された場合や、相続・合併などにより包括承継された場合は、譲受人・承継人が当事者として解除権を有することになります。
(エ) 解除権の不可分性
当事者の一方が数人ある場合には、数人により契約を解除するときはその全員から、数人に対して解除するときはその全員に対して、解除しなければなりません。これを、解除権の不可分性といいます。このように扱わないと、法律関係が複雑になるだけでなく、通常の当時者の意思に反するからです。
なお、判例は、共有者による共有物を目的とする賃貸借契約の解除は、共有者の持分の過半数によって決定すべきであるとしています。この場合、共有物の管理に関する事項に当たるからです。
当時者の一方が数人ある場合、解除権がそのうちの1人について消滅したときは、他の者についても消滅します。これは、法律関係の複雑化を避けるためです。
③ 債権者に帰責事由がないこと
債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由(帰責事由)によるものであるときは、債権者は、契約の解除をすることができません。これは、債権者に帰責事由がある場合にまで、解除を認める必要がないからです。債権者の受領遅滞中における履行不能は、債権者の帰責事由によるものとされます。
(3) 解除の効果
① 原状回復
(ア) 意義
契約が解除されると、各当事者は、相手方を原状に復させる義務(原状回復義務)を負います。つまり、相手方を元の状態に戻す義務があるということです。契約によって発生した債務で未履行のものは、解除によって消滅します。契約によって移転した権利は、解除によって当然に復帰します。契約によって発生した債務の履行がされていたときは、解除によって原状回復義務が生じます。交付を受けた物や金銭を返還し、対抗要件を備えたのであれば、それを除去します。当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます。
(イ) 引き渡された物・金銭の返還
㋐ 原則
契約上の債務の履行として物や金銭が引き渡された場合、解除されると返還しなければなりません。現物が存在するときはそれを返還します。受領した者のもとで、その物や金銭について変化が生じたとき、それをどう扱うかが問題となります。
㋑ 目的物に何らかの変化が生じた場合
(A) 利息
金銭については、受領の時から利息を付して返還します。この利息は、法定利率によります。これは、金銭は、当然に利益を生み出すものであり、それを法定利息に等しいものとみなすという趣旨です。
(B) 果実
金銭以外の物を返還する場合、受領の時以後にその物から果実が生じたときは、その果実も返還しなければなりません。果実には、天然果実と法定果実があります。天然果実とは、物の用法に従い収取する産出物をいい、物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実といいます。天然果実の例としては、動物の子、農作物や鉱物などです。法定果実の例としては、アパートの家賃などです。
(C) 使用利益
金銭以外の物を返還する場合、受領した者がその物を使用して利益を得たときは、その使用利益を返還すべきであるとするのが判例です。例えば、、売買契約が解除された場合、売主は受領した代金に受領の時から利息を付して返還すべきだから、買主も目的物の使用利益を返還すべきということになります。
(D) 滅失・損傷
解除権を有する者が故意もしくは過失によって契約の目的物を著しく毀損したり返還することができなくなったとき、または、加工・改造することによってその目的物を他の種類の物に変えたときは、解除権は消滅します。ただし、解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかったときは、解除権は消滅しません。この場合、例えば、売買契約において目的物が買主のもとで滅失していたときは、買主は目的物の時価相当額の返還義務を負い、これと引き換えに代金の返還を求めることができると考えられます。
② 第三者との関係
(ア) 第三者の意義
契約が解除されると各当事者は相手方を原状に復させる義務を負いますが、第三者の権利を害することはできません。例えば、AからB、BからCへと甲土 が売られた後に、AがBとの売買契約を解除しても、Cは甲土地の所有権を失わないことになります。
ここにいう第三者とは、解除された契約から生じた法律効果を基礎として、解除までに新たな権利を取得した者のことです。例えば、契約の目的物の譲受人、目的物を差し押さえた者、目的物の上に抵当権を設定した者などです。解除の対象となる契約に基づく債権の譲受人は、第三者には当たらないとされています。
(イ) 解除前の第三者
契約から生じた法律効果を前提として新たな権利を取得した第三者は、後に契約が解除されても、その権利を害されることはありません。例えば、AがBに甲土地を売却した後に、BがCに甲土地を転売したが、AがBの代金未払いを理由にAB間の売買を解除したとしても、Cはその取得した甲土地の所有権を失いません。これは、取引の安全のためです。
この場合における第三者は善意である必要はありません(解除原因があることを知っていてもよいということです)。これは、解除原因があっても解除されるとは限らないことから(解除権者は履行を選択するかもしれないし、後に解除原因が解消されるかもしれません)、第三者が解除原因を知っていても保護に値しないとはいえないからです。
契約の目的物が不動産である場合、第三者は、登記を備えなければ保護されないとするのが判例です。もっとも、これは対抗要件としての登記ではなく、権利保護要件(第三者としての資格が認められる要件)としての登記であると考えられています。
(ウ) 解除後の第三者
契約がされた後に、すでに成立した契約から生じた法律効果を前提として新たに契約を締結した第三者は、解除権の行使によって権利を害される立場にはないので、第三者として保護されません。この場合、解除権者と第三者とは、対抗関係に立ち、目的物が不動産である場合には、先に登記を備えた方が権利を主張することができるとするのが判例です。第三者は、悪意(解除原因があることを知っていること)であっても、先に登記を備えれば権利を主張することができます。例えば、AがBに甲土地を売却したが、AがBの代金未払いを理由にAB間の売買を解除した後に、BがCに甲土地を売却した場合、AとCでは、先に登記を備えた方が取得した甲土地の所有権を主張することができます。
③ 損害賠償請求権
解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げません。これは、債務不履行によって発生した損害賠償請求権は、解除権が行使されたからといって消滅しないことを注意的に規定した規定です。したがって、損害賠償請求の要件や範囲は、債務不履行における損害賠償請求の規定により定まります。
(4) 解除権の消滅
① 相手方の催告
解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は消滅します。これは、不安定な立場に置かれる相手方を保護するためです。
解除権の行使の期間が定められている場合には、相手方の催告により解除権は消滅しません。
② 解除権者による目的物の損傷等
③ 数人の解除権者のうち1人についての消滅
④ 一般的な消滅原因
(ア) 債務不履行の解消
履行遅滞になったとしても、解除される前に、本来の給付と遅延損害金の弁済の提供をすれば、解除権は消滅します。契約の本旨に適合しない履行をした場合も、解除される前に、追完(目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しなど)と不適合な履行に伴う損害賠償の弁済の提供をしたときも、解除権は消滅します。
(イ) 解除権の放棄
解除権(法定解除権または約定解除権)は放棄することができます。あらかじめ放棄することも可能であるとするのが判例です。
(ウ) 解除権の消滅時効
解除権は、債務不履行の時から(解除権者がその事実を知らなくてもよいとされています)5年間で時効により消滅し、その期間内に解除されると、原状回復請求権(原状回復請求権が履行不能により損害賠償請求権に変じた場合を含みます)は、解除の時から5年間で時効により消滅すると考えられています。
(参照条文)民法540条、545条、541条、412条、536条、533条、492条、542条、97条1項、539条の2、544条、252条1項、543条、413条の2第2項、545条、546条、404条、88条、547条、166条1項1号、商法525条
(参考判例)最判昭和36年6月22日民集15巻6号1651頁、大判明示43年12月9日民録16輯910頁、大判大正13年7月15日民集3巻362頁、大判昭和2年2月2日民集6巻133頁、最判昭和31年12月6日民集10巻12号1527頁、最判昭和37年3月9日民集16巻3号514頁、最判昭和58年9月20日判時1100号55頁、最判昭和51年6月15日裁集民118号87頁、最判昭和39年2月25日民集18巻2号329頁、大判大正10年5月17日民録27輯929頁、大判昭和11年5月11日民集13巻808頁、最判昭和33年6月14日民集12巻9号1449頁、最判昭和35年11月29日民集14巻13号2869頁、大判明治37年9月15日民録10輯1115頁、大判大正6年11月14日民録23輯1965頁、大判大正7年4月13日民録24輯669頁、最判昭和35年11月1日民集14巻13号2781頁
(参考文献)内田貴「民法Ⅱ(第3版)債権各論」(東京大学出版会、2011年)82頁以下
中田裕康「契約法(新版)」(有斐閣、2021年)192頁以下
我妻栄「債権各論上巻1(民法講義Ⅴ1)」(岩波書店、1954年)184頁以下
星野英一「民法概論Ⅳ(契約)」(良書普及会、1986年)87頁
潮見佳男「新債権総論Ⅰ」(信山社、2017年)622頁
(司法書士・行政書士 三田佳央)
