相続した土地の国庫帰属の承認申請手続2

相続土地の国庫帰属の承認申請がされると、法務局担当官による事実の調査がなされることになります。

承認申請を受けた法務局は、まず、承認申請書と添付書類の内容を精査するとともに、審査手数料の納付の有無を確認して、却下すべき事由の存否を確認することになります。これを書面調査といいます。

次に、直ちに却下すべき事由があるとは認められない場合には、法務局担当官が実地調査をすることになります。さらに、法務局担当官は、承認申請をした者その他の関係者からその知っている事実の聴取をすること、資料の提出を求めることその他承認申請に係る審査のため必要な調査をすることができます。

法務局担当官による調査の結果、承認申請が、却下すべき事由に該当すると認められるときは、承認申請が却下されます。承認申請が却下されると、承認申請をした者に対して、却下した旨の通知がなされます。

また、承認申請されている土地が承認しない事由に該当すると認められるときは、承認しない処分がなされます。承認しない処分がされると、承認申請をした者に対して、承認しない処分をした旨の通知がなされます。

法務局担当官による調査の結果、承認申請されている土地について、却下すべき事由や承認しない事由が認められないときは、国庫帰属が承認されることになります。国庫帰属が承認されると、承認申請をした者に対して、承認した処分をした旨の通知がなされます。

承認申請されている土地の国庫帰属の承認があったときは、承認があった土地について、負担金を納付しなければなりません。この負担金は、国有地の種目ごとにその管理に要する十年分の標準的な費用の額を考慮して政令で定めるところにより算定した額の金銭のことです。承認申請をした者に対して承認した処分の通知をする際に、併せて負担金の額の通知がされることになります。承認申請をした者が、この通知を受けた日から30日以内に、負担金を納付しないときは、承認した処分は効力を失うことになります。

承認申請した者による負担金の納付の時に、承認申請されている土地の所有権は国庫に帰属します。

(司法書士・行政書士 三田佳央)