相続登記の流れ3

相続登記の申請は、管轄の法務局に申請書と添付書類を提出してします。申請書の申請人の記名のある箇所に押印をします。弁護士や司法書士などの代理人が申請する場合には、代理人の記名のある箇所に押印をします。申請書二枚以上であるときは、各用紙をホチキスで止めてそのつづり目に契印をしなければなりません。

添付書類を提出するには、各添付書類をホチキスやクリップで止めて、申請書を上にしてクリップで止めます。添付書類には、申請人の名前が入ったタグを付けておくと、万が一申請書と添付書類が離れてしまっても、どの申請の添付書類なのかが登記官において把握することができ、添付書類の紛失を防ぐことができます。

また、添付書類は委任状を除いて、その原本を還付することができます。原本還付をするには、原本をコピーして、そのコピーに「原本と相違ありません。」との文言を記入して申請人または代理人が記名押印します。このコピーが二枚以上あるときは、各用紙をホチキスで止めてそのつづり目に契印をしなければなりません。実務では、原本のコピーに赤字で「原本還付」と記入しています。なお、戸籍謄本の原本還付をする場合においてもすべてのコピーを添付するのが原則ですが、実務では、相続関係説明図を申請書に添付して申請する場合には、戸籍謄本のコピーがなくても原本還付される扱いがなされています。戸籍謄本に代えて法定相続情報一覧図を提出する場合にも、相続関係説明図も提出するときは、一覧図の原本は還付される扱いがなされています。相続関係説明図とは、被相続人と相続人との関係を家系図のような形で示したものです。相続関係説明図には、被相続人の氏名・生年月日・死亡日、相続人の氏名・生年月日・相続に関する事項などを記載します。相続に関する事項には、例えば、遺産分割協議によりその相続人が相続する場合には括弧書きで「相続」と記載し、相続しない場合には「分割」と記載します。

法務局に登記申請をする際には、登録免許税を納付しなければなりません。納付の方法は、申請書に収入印紙を貼付します。具体的には、白紙に収入印紙を貼付して空欄部分に申請人または代理人が記名押印し、申請書を上にしてホチキスで止めて契印します。

なお、申請してからその登記が完了するまでの間に、法務局からの問い合わせがあるときに備えて、受領証の交付を請求することができます。その請求をするには、申請書と同じ内容の書面を作成し、その上部に「受領証」と記載して申請書にクリップで止めて提出します。申請の受付が終わると提出した「受領証」と記載した書面に、受付年月日、受付番号、登記官の氏名が記載され、登記官の職印が押印されて交付されます。受領証を交付しておくことによって、この申請の受付年月日と受付番号を把握することができます。法務局から追加で書類の提出を求められたときには、法務局に受付年月日と受付番号を伝えて追加の書類を提出することになります。

このようにして申請書と添付書類をまとめたら、これを法務局に提出して申請します。申請書と添付書類を提出するには、法務局の窓口に持参するか、法務局に送付します。法務局に申請書と添付書類を送付するには、書留郵便か引受け及び配達の記録を行う信書便によるものとされています。実務では、レターパックプラスが用いられています。申請書と添付書類を入れた封筒の表面には、不動産登記申請書が在中する旨を明記しなければなりません。

(司法書士・行政書士 三田佳央)