個人再生手続の流れ1

債務者が個人再生手続の申立てをする際には、債権者一覧表を提出することになります。債権者一覧表には、債権者の氏名・債権の額・原因などを記載します。債権者一覧表の記載事項は知れている債権者に通知されます。その内容に異議のない債権者は自ら債権の届出をしない場合でも、債権届出期間の初日に債権者一覧表と同一内容で債権届出をしたものとみなされます。手続全体を簡略化するための措置です。債権者一覧表に記載のない債権者やその記載に不服のある債権者は、債権届出期間に債権を届け出る必要があります。

債務者や届出をした債権者は、債権者一覧表に記載された債権について異議を述べることができます。債務者が自ら債権者一覧表に記載した債権について異議を述べるためには、あらかじめその債権の全部または一部について異議を述べることがある旨を債権者一覧表に記載しておく必要があります。債務者が債権に異議を述べることは、債権者に対して不意打ちとなるからです。異議を述べることができる期間は、手続開始と同時に公告され、知れている債権者に通知されます。

異議があった場合、異議の対象となった債権者は、裁判所に対し、異議述べることができる期間の末日から3週間以内に債権の評価の申立てをすることができます。手続の迅速化のため、手続内で債権を確定させます。評価の申立てがなされると、個人再生委員が選任され、その者により調査がされます。そして、裁判所は、個人再生委員の意見を聴いて、債権の存否や額などを定めることになります。

債務者は、個人再生手続の申立てをする際には、貸借対照表の作成と提出をする必要がありません。個人再生手続を簡略化するためです。また、財産目録の記載についても簡略化されています。

(司法書士・行政書士 三田佳央)