任意後見契約の登記

公証人は、任意後見契約の公正証書を作成したら、任意後見契約の登記を登記所に嘱託することになります。

任意後見契約の登記がされていないと、家庭裁判所は任意後見監督人の選任をすることができません。また、任意後見の登記がなされることにより、任意後見が法定後見(後見・保佐・補助)に優先することになります。そのため、家庭裁判所はそれぞれの審理において任意後見の登記事項証明書の内容を確認することになります。

また、任意後見の代理権が消滅した場合に、その事実を主張するには、代理権の消滅を登記しなければなりません。その前提として、任意後見契約の登記と任意後見監督人の登記がなされていることが必要となります。

公証人は、任意後見契約の公正証書を作成後、登記所(東京法務局後見登録課)に対し、任意後見契約の公正証書の謄本、代理権目録を添付して登記の嘱託を行います。 任意後見契約の登記の完了後、任意後見契約の事実を証する必要あるときは、登記所にて登記事項証明書を取得します。登記所は、窓口にて取得する場合は各地の法務局または地方法務局であり、郵送にて取得する場合は東京法務局後見登録課です。郵送の場合は10日程で取得できます。手数料は1通あたり550円です。

(司法書士・行政書士 三田佳央)