後見開始の申立手続き1

後見・保佐・補助開始の審判を請求するには、管轄の家庭裁判所に申立書を提出してすることになります。家庭裁判所の管轄は、本人の住所地によって決まります。申立書には、当事者及び法定代理人、申立ての趣旨及び理由を記載しなければなりません。その他に成年後見人等の候補者を記載することができます。家庭裁判所のホームページに申立書の書式があります。

申立書と併せて添付書類を提供しなければなりません。添付書類としては、診断書、本人情報シート、申立事情説明書、本人の戸籍謄本・住民票・登記されてないことの証明書、財産目録、収支予定表、親族関係図、親族の意見書、健康状態に関する書類(健康保険証等の写し)、預金通帳の写し、保険証書、収支に関する書類(年金通知書、請求書、領収書等の写し)などです。役場で取得する書類(戸籍謄本、住民票、登記されていないことの証明書)だけでなく、医師やケアマネージャー等の福祉関係者に作成を依頼しなければならない書類(診断書、本人情報シート)や、申立人により作成する書類もあります。申立人自身での書類作成が困難なときは、専門家に書類の作成を依頼すると良いでしょう。なお、この申立書を作成することができる専門家は、弁護士と司法書士に限られています。

医師に診断書の作成を依頼するには、ケアマネージャー等が作成した本人情報シートを医師に提出してするのが原則です。先に本人情報シートを作成して、それを医師に提出して診断書の作成を依頼します。ただ、医師は本人情報シートの提出を受けなくても診断書を作成することができます。

登記されていないことの証明書を取得するには、法務局の本局の窓口か東京法務局に郵送することになります。後見・保佐・補助・任意後見について登記されていない旨の証明がされているものが必要です。

親族の意見書は、本人について後見等の開始や後見人等の候補者に関する推定相続人の意見を記載したものです。ただし、推定相続人にこの意見書を送付しても記載されないこともあるため、この意見書の提出は必須ではありません。意見書を提出できない場合には、家庭裁判所から推定相続人に照会があるようです。 上記の書類の多くは、家庭裁判所のホームページに書式があります。

(司法書士・行政書士 三田佳央)