成年後見人の実務(身上監護)1

成年後見人は、本人の財産管理だけでなく、本人の生活や療養看護に関する事務をも行います。成年後見人の財産管理は、生活や療養看護の事務を通じて、本人の生活の質を充実させるためになされます。

本人の生活や療養看護に関する事務とは、介護サービス契約、介護施設入所契約、入院手続、日用品等の購入手続などです。成年後見人が行うのは、契約等の法律行為とそれに付随する事実行為に限られます。例えば、介護施設に入所する際には、ます、成年後見人がその施設を見学して、入所の申し込みをして、本人がその施設への入所に同意した場合には入所契約をします。

これに対して、契約等の法律行為に付随しない事実行為については、成年後見人が行う必要がありません。例えば、本人に介護が必要な場合には、成年後見人が訪問介護の事業所と訪問介護を利用する契約をして、実際の介護は訪問介護員(ホームヘルパー)が行うことになります。