成年後見制度を利用できるのはどんな人?

成年後見制度とは、家庭裁判所に選任された成年後見人が、精神上の障害により判断能力が低下した本人に代わって、財産管理や様々な手続きをすることによって、本人の権利を擁護するための制度です。

そのため、成年後見制度を利用するには、「①精神上の障害があること、②判断能力が低下していること、③判断能力の低下が精神上の障害が原因となっていること」という要件を満たしていることが必要となります。

①の主な精神上の障害としては、認知症、統合失調症、躁うつ病、知的障害、高次脳機能障害などがあります。身体障害はこれに含まれません。身体障害者の方は、任意代理など別の制度の利用が考えられます。

②の判断能力とは、自分で契約などの意味や内容を理解して判断することをいいます。例えば、日用品を購入したり、不動産を売買したり、お金を借りたりすりことを、自分で行うことができるということです。

この判断能力が低下している者は、他人の支援が必要であるため、成年後見制度の利用が認められています。

③のとおり、精神上の障害が原因で判断能力が低下している場合に、成年後見制度の利用が認められています。高齢になると判断能力が低下してくることもありますが、それだけでは成年後見制度の利用は認められません。

精神上の障害により判断能力が低下しているかどうかは、医師が作成した「診断書(成年後見用)」により判断されます。成年後見制度の利用を検討している場合には、まず、かかりつけ医や精神科の医師に「診断書(成年後見用)」を作成してもらうことが必要です。